今日は電車が遅延し、そのせいで電車の中は普段では考えられないほど混雑した。
毎朝通学しているが、あそこまでの惨事になるのは珍しい。
さらにひどいことには、ちょうど僕の前にいた人が太っていたのである。
ただでさえ狭い満員電車の中で、彼の豊満な肉体と後ろにいた人の間に
僕の右肩は抑えつけられ、完全に身動きが取れなくなってしまった。
まぁ、それだけなら事情も事情だし、そもそも誰が悪いわけでもないのだから
別段不満も抱かないのだが、どうしたものか不運というものは重なるものである。
なんとその巨漢の右尻が僕の股間にあたっているではないか。
砕けた言い方をすれば、ケツがチンコにフィットしていたのだ。
本来ならこんなことはそうそう起きないだろうが
彼の肥満がゆえに膨らみあがった尻は、常識というものをあっさりと覆してしまった。
身体の向きを変えようにも、右肩が抑えられてどうしようもない。
さらに乗っていた電車が新快速だったために次の駅までそこそこの時間がかかる。
さすがにこれは参った。
電車というものは否が応でも揺れるものである。
その揺れに人々の足元はふらつく。
当然彼もまた人、揺れに連動してその立ち位置を修正しようと足を動かす。
人体というものの構造を思い浮かべてもらえればわかると思うけど
彼が足を動かせば、彼のお尻の筋肉もいくらか動く。
すると、その筋肉の動きはお尻に密着したボクの一物に全て伝わる。
どんな些細なものでも余すことなくである。
これを地獄と言わずして何と言おうか。
あまりにあんまりな状況に頭がおかしくなってしまったのか
途中からずっともし反応してしまったらどうしようという謎の不安に襲われていた。
確かに巨漢の尻である。当たり前だが興奮する要素などどこにも欠片もない。
しかし万が一、万が一反応してしまったら……。
その考えが頭をよぎった瞬間から死闘の火ぶたは切って落とされた。
そんなことがあってはならぬと強く思えば思うほど
「もし……」という不安も膨らんでいく。
そんな私の思考など知りもせず、巨漢は尻の筋肉を伸縮させ続ける。
正直死ぬかと思った。
もちろんゲイの人を馬鹿にするようなつもりなど微塵もない。
これは生まれてからこの方女性をこよなく愛してきた自分という存在が
齢19にして音を立て崩壊してしまうか否かの戦いなのだ。
階段でスカートの短い女性を見かけてはどうにか見えぬものかと試行錯誤したり
おっぱいの大きい女性とすれ違えば、ついつい視線で追ってしまったり
そんな風に過ごしてきた今までの日々全てを賭した戦いなのである。
何度も心が折れかけそうになったが、私は無事にその戦いを制した。
今までの日々は間違ってなんかいなかった。
今日は思う存分女の子で抜きたいと思う。